月見団子のイメージと地域性

健康づくりを地域で実践していくには、その地域の文化や気質を把握することが大切で、全国的な共通イメージを払拭しておかないと、地域に溶け込んで、スムーズに進めていくことができなくなります。日本メディカルダイエット支援機構が本部(主たる事務所)を岡山市内に移し、東京は支部(従たる事務所)にして、全国規模の人脈を活かしつつ地域からの発信にスタンスを移したときのこと、注連(しめ)縄探しに手間取ったことがあります。東京だけでなく、関東でも、そして東日本に目を移しても歳の市に行けば注連縄は必ず手に入りました。デパートでもスーパーマーケットでもデパートでも、店によってはコンビニでもデザインとサイズにこだわらなければ買うことができました。
ところが、岡山では、どこを回っても注連縄が手に入らず、年末に東京に行く知人に依頼して買ってきてもらいました。イメージからすると伊勢にも出雲にも近くて、神社につきものの注連縄がないということは想像すらしていなかったのですが、各店舗の人は「どこに売っているのだろう」という反応でした。
他にも数々のイメージと地域性の違いに困惑したものですが、最近の困惑した出来事は月見団子です。月見団子のイメージというと丸くて白い団子がピラミッド型に積まれているもので、子供の絵本に登場するのも、これです。白丸タイプには何も入っていないものと、餡が入っているものがあります。しかし、外見的には同じで、東日本では月見団子というと、これ以外のものはなくて、他の地域から移住して来た人も、他の種類がないので“郷に従え”となります。
この話を各地の人と話をすると、名古屋では3色(白、赤、茶)のしずく型のもので、里芋の形を表しているといいます。初めて見たときには、ういろうかと勘違いしたものです。静岡はへそ餅で、中央が凹んだ丸餅に餡を乗せて食べます。関西は里芋型の白い団子に餡を巻いたものがあり、中国・四国地方では丸い団子を餡で包んだ串団子になっています。
地方でも都市部では移住組が増えているので、例えば岡山県でも白丸団子も関西型のものも売っていますが、岡山市内でも端のほうになると地元のパターンしか手に入りません。郷に従うべきか、身についているイメージに合わせるべきか迷うところですが、白丸団子の代わりに丸くて小さな饅頭を積み上げて、その横に餡の串団子を並べて、両方とも受け入れるようにしました。
これは私たちが健康づくりに取り組むスタンスと似通ったところがあります。