有害物質を排出するためのデトックス

体内に入ってくる有害物質をできるだけ排出して、細胞レベルから健康被害を防ぐために注目されているのがデトックス(detox)です。身体の機能は消化・吸収・循環・代謝・排泄に分類されていますが、そのうちの排出がデトックスであり、排出部位としては皮膚が最も広くなっています。だから、汗を大量にかくことをデトックスとしているところもあります。しかし、皮膚から汗として排泄される量は約1%で、便から約75%、尿から約20%が排出されています。毛髪と爪は、それぞれ約1%ずつですが、毛髪も爪も有害ミネラルが蓄積されるので、毛髪と爪を検査することで有害ミネラルの蓄積量を推定することができます。
有害物質の実態ですが、工場の汚染排水や排気、自動車などの排気ガス、農薬などの鉛、カドミウム、水銀、ヒ素などによる環境汚染は進み、水や土壌、空気を通して、体内に入り込んでくる汚染物質の量は増え続けています。これらの環境汚染物質はプランクトン、小魚から始まり、徐々に大型の動物への蓄積されていく食物連鎖が起こり、最終的には食物連鎖の頂点に立つ人間の体内に最も蓄積されていきます。
水銀やカドミウムなどの有害ミネラル(有害金属)は加熱調理しても大きく減ることはなくて、魚を多く食べる日本人には有害ミネラルによる健康被害のリスクが高まっています。それだけ海や川は汚染されていることになります。
健康維持に必要な必須ミネラルが全身に分布しているのと同様に、有害ミネラルも全身のあらゆる部位に蓄積されています。ヒ素は全身に蓄積されるものですが、その他の有害ミネラルは特に蓄積されやすい部位があります。例えば、アルミニウムは脳、肝臓、腎臓、骨に、水銀は肝臓、腎臓、骨に、鉛は肝臓と骨に蓄積されていきます。有害ミネラルが蓄積されているのは体の奥の見えない部位であり、蓄積が進んでも気づきにくく、有害物質を解毒・排出するための対策が遅れがちであるのは仕方がないことです。