朝食が体内時計を調整する

1日は24時間ですが、体内時計は24時間15分となっています。24時間は1440分なので、15分は96分の1、割合にすると1%ほどと、わずかな差のように思われがちです。しかし、毎日15分ずつ実際の時間と体内時計がズレていくと、起床しても目覚めにくい、就寝しようとしても寝つきにくいということにもなります。これを調整するためにすすめられているのは朝の光です。朝の光にはブルーライトが含まれていて、自律神経の交感神経を刺激して脳を目覚めさせ、24時間のリズムに合わせるようにリセットされます。
朝の光と同じように体内時計をリセットしてくれるのはインスリンです。インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで、血液中のブドウ糖の量、つまり血糖値に応じて分泌されます。インスリンには細胞にブドウ糖を取り込む働きがあり、これによって血糖値が下がって安定していきます。食事をしてインスリンが分泌されると、これを使って体内時計がリセットされるので、朝食を食べることが1日のリズムを決定させることになるのです。
インスリンが分泌されにくいために血糖値が高くなる糖尿病の人は体内時計が調整されにくいとされているので、糖尿病の人には朝の光を浴びる、それもブルーライトが多い早めの時間帯に浴びるのがよいと言われてきました。
しかし、たんぱく質が含まれた食事をすると体内時計がリセットされることもわかってきました。たんぱく質は20種類のアミノ酸が組み合わさって構成されていますが、その中の何が作用しているのかというとシステインであることが突き止められています。システインは食品ではニンニク、玉ねぎ、ブロッコリー、芽キャベツ、赤唐辛子、オート麦、小麦胚芽に多く含まれています。これらの食品は朝食で食べる必要があるのかというと、体内に蓄積されていればよいので、1日のうち、どのタイミングで食べてもよいということです。