本当のことを言わなかったための悪循環

糖尿病の人が甘いものを食べていることを医師や栄養士に話すと叱られると思って、「食べているのは三食だけ」、「朝食のパンにジャムを少ししか塗っていない」、「おやつも食べていない」などと話すことは、よくあることです。それなのに血糖値が高くなっていると、栄養士は厳しい食事制限を指導します。患者にしてみれば、どんなに厳しく言われても、入院をしていなければ食卓まで押しかけてきて叱られるようなことはありません。指導内容を守るかどうかは本人次第です。
ところが、これが医師の反応となると、症状に合わせた処方をしているのに薬が効かなかったということで、症状が悪くなっていると判断をして、作用が強い薬に代えたり、薬の量を増やすということをします。薬の血糖値を下げる作用が、菓子を食べたことによる血糖値の上昇の分よりも優っているのが通常で、それで血糖値は安定を保つことができるようになります。
ところが、菓子は三食のように安定して食べるものではないので、菓子を食べなかったときには血糖値が大きく下がるようになります。糖尿病が怖いのは、血糖値が上がることよりも、急激に下がる“低血糖”によって意識を失ったり、脳の機能が低下することです。
そこまでいかなくても、糖質のブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源で、血糖値が下がると敏感に反応して、ブドウ糖を摂ることを促すように、強い空腹を感じるようになります。薬が強くなったために、空腹を感じてから食事をする時間まで待てなくて、菓子を食べるということになり、なかなか血糖値が下がらず、そのために、さらに強い薬が使われるという悪循環にもなりかねません。
生活習慣病に関わる数値に異常が見られたときには、薬を使ったとしても、できることなら自分の努力に加えて、薬をサポートとして使うことで、だんだんと薬を減らし、自分の生活習慣の改善によって、いつかは薬が入らない状態にしていくことがすすめられています。糖尿病は食事制限が着実に行わなければ、運動をしても薬を使っても改善されないものだからです。
状態に合っていない薬を使われることがないようにするためにも、まずは自分の生活習慣を正しく話し、それを受けて医師や栄養士に正しく判断をしてもらい、そして自分でできることを続けることです。そのために必要となる情報を提供するのも、日本メディカルダイエット支援機構の役目です。