次の世代のために歩く

100歳を超えて現役医師として活躍していた日野原重明先生に、日本メディカルダイエット支援機構の理事長がインタビューをしたときのこと、自分の健康のためではなく、次に続く世代の方々のために運動をする活動という話を聞きました。日野原先生は、新老人運動を掲げて新老人の会を2000年に発足させました。1970年に羽田から福岡から飛んだ日航機のよど号がハイジャックされたときに同機に乗っていた日野原先生は北朝鮮に行くことになり、解放され、福岡に寄港したときに最初に降りてきたのが日野原先生でした。なぜ一番に降りてきたのかということについては日野原先生から詳しく聞いたのですが、ここでは省略させてもらいます。
日野原先生は、そのときの経験から、今後は世の中のためになることをやろうという気持ちから、いくつかのことを始めていますが、その一つが新老人の会の設立でした。会員はセミナーやサークル活動を通して、高齢者が進んで実験材料となり、これから高齢者になる方々のために活動することを目指して、活動が始まりました。
このことは取材を通じてですが、感銘を受けた当法人の理事長ですが、当時は日本ウオーキング協会の支援事業をしていたこともあり、また同協会の理事であった玉利齊先生は公益財団法人日本健康スポーツ連盟の理事長であり、当法人の理事長は同連盟の理事であったことから(ややこしい話で済みません)、“次世代のために歩く”ということを強く意識しました。
歩くことで自らが健康になることは、もちろん本人のためではあるのですが、一緒に暮らす家族のためにもなります。そのことは家族の中だけではなくて、地域のためにもなります。自分が歩くだけではなく、子供世代、孫世代も一緒に歩くようにすることで、自分の健康づくりが、そのまま子供世代の健康づくりにもつながります。孫も一緒に歩いてくれればよいのですが、歩かなくても子供世代(孫にとっては親世代)が身体を動かして健康でいること、その姿を見ることは健康意識を高めることになります。
自分が歩くことで子供世代が歩くことがなかったとしても、同世代の方々が歩くことで、地域でのウォーキングが盛んになることで、元気な方が増え、医療費ひいては将来的な介護費を減らすことにつながるとすれば、意義があることです。勝手に歩くのではなく、健康づくりを意識する仲間と歩き、どんどんと仲間を増やしていくことが地域の健康増進につながるということを主張したいということです。