正しい歩き方のために腕の振りに注目

歩き方が正しくないために膝や腰などを傷める人が多く、それを解決する方法を紹介するテレビ番組がありました。膝の手術や中敷の選び方、腹筋の鍛え方など、さまざまな方法を繰り出して、使用前・使用後ではないのですが、こんなによくなったというシーンとして本人の歩き方を映し出していました。足腰に注目すると、確かに歩幅が広がり、勢いよく歩けるようにはなっていたのですが、気になったのは腕の振り方です。
外反母趾のために膝の内側が強く刺激されて、変形性膝関節症になった女性は手術と角度のついた中敷でまっすぐに歩けるようになったように見えました。しかし、腕の前後の振り幅が違っていて、右側の振りが小さくて、左側のほうは普通の振り幅になっていました。身体が本当にまっすぐになっていれば、左右の振り幅は同じようになります。違いがあったとしても、パッと見で違いには気づかない程度の差でしかないはずです。
左右の振り幅が違っていた場合、振りが小さいほうは肩が下がっていて、上がっている側は振りが大きくなります。また、肩の左右の高さが同じでも、肩が前後にズレている場合も振り幅が違います。前に出ている側の腕は振りが大きくなり、後ろに引かれている側の腕は振りが小さくなります。これだけを見ても、まっすぐになっていないことは簡単に見抜けます。
肩の前後、左右の高さを一緒にしてもらい、腕を前後に大きく、均等に振るように言っても、左右に振れる人がいます。左右に大きく振るだけでなく、左右の揺れも加わって、斜めに腕が振られている場合もあります。これは前屈みになっているか、首が前に出た姿勢となっている場合がほとんどです。モデルのように直立になり、胸を張った姿勢になると、左右に腕を振ろうとしてもできなくなります。
これを修正しようとしても、身についた癖のような歩き方は、なかなか修正できにくいものです。そこで日本メディカルダイエット支援機構では、ポールを使ったノルディックスタイルのウォーキングをすすめています。ポールを持ったまま歩くと、左右の腕の高さも前後の動きも同じになり、腕を横に動かそうと思っても、前後にしか動かせないために、正しい上半身の動きを身につけることができるようになるからです。