歩いて血糖値を下げる

糖尿病の改善や予防のために歩くことがすすめられます。歩くことによって血糖値を下げようということです。血液中のブドウ糖は血糖と呼ばれ、一定(1dl)の血液中に含まれるブドウ糖の量が血糖値です。
ブドウ糖は、すぐに使われるエネルギー源で、ブドウ糖と脂肪酸の燃焼の割合は平常時にはブドウ糖60:脂肪酸40くらいで使われています。歩き始めると平常時よりも多くのエネルギーが必要になります。厚生労働省のエクササイズガイドでは、安静時(平常時)を1とすると普通に歩くだけでも3倍のエネルギーが使われています。それを補うために、ブドウ糖の消費量が多くなり、ブドウ糖80:脂肪酸20くらいの割合になります。
ブドウ糖を中心に燃焼させられるのは運動を始めて10〜15分で、それ以降は多くのエネルギーを長く作り続けられる脂肪酸の燃焼に切り替わっていきます。だから、ダイエットのためのウォーキングをするときには30分を目安にすることがすすめられるわけで、30分のウォーキングだとしたら15〜20分は脂肪が中心に燃焼することになります。そのときにはブドウ糖35:脂肪酸65くらいの割合になります。
ブドウ糖の消費を増やして血糖値を下げようとしたら、10〜15分のウォーキングを1日に何回か実施したほうがよいことになります。1日に1時間のウォーキング時間を作るとしたら、4〜6回の短時間のウォーキングをすればよいことになるわけですが、では長く歩いても効果がないのかというと、そんなことはありません。ブドウ糖の燃焼が半分ほどであったとしても、その分だけ長く歩いていればブドウ糖も燃焼します。また、体脂肪が減ると、ブドウ糖を脂肪酸に変化させる脂肪合成が進むので、脂肪酸の減少はブドウ糖を減らすという結果にもつながります。だから、歩いただけの効果は現れるということです。