歩かないと歩けなくなる

歩く能力といっても、元気に歩けている人にはピンと来ないかもしれませんが、年齢を重ねて筋力が低下して、身体の揺れを調整するといった筋肉の能力が低下すると歩きにくくなり、転びやすくもなります。元気に自由に歩けている人にとっては、足の裏の運び、指の感覚などは気にしていないことでしょうが、だんだんと歩けなくなってくると、ちゃんと足の感覚を研ぎ澄ましていないと正しい歩行姿勢を保てなくなってきます。これは年齢のせいばかりではなく、徐々に能力が低下していくことを意識して歩かないと、だんだんと歩けなくなってきます。つまり歩かないと歩けなくなっていくということです。
座ってばかりの生活を続けていると加齢によって立ち上がる能力が低下していきます。立ち上がるのに必要となる筋肉と神経は常に刺激しておかないと起き上がるのに苦労をするようになり、起き上がりにくくもなっていきます。起き上がりの筋肉を鍛えるには足の曲げ伸ばしによるスクワットが効果的ですが、筋肉の衰えを感じてきたときに慌てて筋肉運動をするのではなく、常日頃から立ち上がる機会を増やしておくことです。
ちゃんと立ち上がって歩いていれば、それで能力が低下しないかというと、いつもゆっくりと歩いていたら、早く歩く能力が低下してきます。健康寿命の延伸には、1日に8000歩を目標に歩くだけでなく、そのうち20分間の中強度の歩行もするとよいことが知られています。中強度の歩行というのは、何とか話ができる程度の早歩きを指しています。歩く能力を低下させないためにも、やってほしいこと、続けてほしいことです。