“温活”で生命エネルギーを効率的に作り出す

“温活”は、健康を維持するために身体を適正な体温にすることを言います。身体を温める方法としては入浴や運動、温かなものを食べるといったこともあげられるのですが、継続的に体温を上昇させることによって代謝を高め、免疫の向上にも役立ちます。体温が1℃上昇すると免疫力は5〜6倍にもなるという研究結果も発表されています。
体熱を発生させるためには飲食で摂ったエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を、全身の細胞の中にあるミトコンドリアに取り込んで、エネルギー代謝を起こす必要があります。1日に摂取したエネルギー源のうち、生命維持に使われる基礎代謝は約70%にも及んでいます。そのうち約70%が体熱産生に使われています。「70%×70%=49%」ということで、飲食で摂ったエネルギー源の半分ほどは体温の維持に使われているということです。
日本人は血液の温度が低く、そのことが体温が低い原因となっています。血液の温度が低いのは、全身のミトコンドリアで作り出されるエネルギー量が少ないからです。食事量が多くなったときにエネルギーが多く作られないと、余分となったエネルギー源が脂肪合成されて、脂肪細胞の中に蓄積されることになります。蓄積された体脂肪は、しっかりとエネルギー代謝ができていれば体熱となるだけでなく、全身の細胞が作り出す細胞を働かせるためのエネルギーも多くなることになります。
細胞の中で作り出されたエネルギーは、その細胞の中でしか使うことができません。脳細胞はブドウ糖が唯一のエネルギー源となっているので、脳を働かせるエネルギーを充分に作り出すためにはブドウ糖が含まれる糖質の摂取は重要であることがわかります。
日本メディカルダイエット支援機構は、発達障害児の支援のための教育と情報発信に着手していますが、脳の発達にズレがあり、心身ともに非常に疲れやすい中で頑張っている子どもたちの支援のために“温活” に取り組んでいます。身体が冷えている人は、せっかく作り出したエネルギーが細胞を働かせるために充分に使われないことになります。もちろん、エネルギー代謝を高めるために代謝促進成分を摂ることも有効になるのですが、それと同時に重要なことは余分に体熱の産生にエネルギーが使われないようにするための“温活”です。その中でも直接的に身体を温め、自律神経調整にも有効な方法である注熱に注目しており、温熱療法を発達支援に役立てる方法の研究を進めているところです。