温熱療法で認知症の予防に挑戦

認知症を予防する方法として、さまざまな方法が提唱されていますが、認知症の種類と関連する脳の部位が異なっているのではないか、と感じることが多々あります。知識に関わる前頭葉(脳の前側)に生じるのは脳血管性認知症で、うつ状態が現れやすくなっています。脳の後ろ側の前頂葉と側頭葉に生じるのはアルツハイマー型認知症、後頭部の後頭葉に生じるのはレビー小体型認知症と大きく分類されています。脳の血流をよくして認知症を予防するとなると、前頭葉ということになります。
脳の血流をよくすることでアルツハイマー型認知症が予防できないのかというと、アルツハイマー型認知症の半分ほどは脳血管性認知症が影響して起こると考えられていて、脳血管の血流が充分に確保されていればアルツハイマー型認知症が起こらなかったか、起こったとしても軽度で済んでいた可能性があったということです。脳の血流が促進されやすいのは前頭葉の中でも特に前側の前頭前野で、ここは思考や記憶、意思決定、コミュニケーションなどに働いている重要な部分です。
認知症予防にはウォーキングなどの有酸素運動に効果があるという研究報告が続いています。歩くことは脳によいといっても、いつも歩いているわけにはいきません。そこで温湿布を首や背中に当てたり、マッサージをするという方法もあるのですが、こういったことは科学的な裏付けが取れていることではありません。これに対して、温熱治療器を用いた温熱とマッサージでは前頭前野の血流を促進して、リラックス効果を高めることが大学との研究によって確認されています。
過度の緊張は脳の機能に悪影響を与えることは明らかで、前頭前野の血流がよくなれば脳血管性認知症を予防することはわかっています。血流をよくして血流が改善されるのは前頭葉に限ったことではなくて、脳全体に影響を与える、つまりすべての認知症の予防にアプローチすることができる可能性があるということになります。実際の研究は、これからということになりますが、大きな期待が寄せられていることは間違いないことです。

温熱療法効果リンク