生活習慣病予防のウォーキングのテキスト

ウォーキングの目的は、気分転換や友達との会話、孤独になりたい、よい景色の堪能、地域の子供や高齢者の見守りといったことまで、さまざまあるかと思いますが、究極の目的は健康です。足腰を丈夫にしてロコモティブシンドローム対策、検査数値が高いのを下げて生活習慣病対策、身体を疲れさせてからの安眠、エネルギーを消費しておいしいものを食べたいということもあります。
歩くのは健康づくりによいという書籍は出回りすぎるほど発行されていますが、公式見解ということではウォーキングの団体が発行している書籍、それも健康の指導者向けのテキストがよいだろうと各方面からテキストを集めてみました。中には“健康”を冠したウォーキングの指導者の資格認定テキストもあり、さぞかし健康づくりのための歩き方が載っているのだろうと期待してページをめくったのですが、最後のページまで進んでも、期待する記載が出てこなかったのです。
結論としては、歩くのは健康によいことなので、いかに快適にウォーキングができる環境を整えるかという話に終始しています。もちろん、多くの健康を気づかう方々の関心が高いキーワードである血圧、血糖値、中性脂肪値といった言葉は出てきて、それに関する項目もありました。しかし、その内容は「血圧が高い人には、こういったことを注意してウォーキング大会に参加してよいか確認しよう」「血圧が高めの人と歩くときには、こういう心配りをしよう」というものです。もちろん、それも大事なことですが、そもそも血圧が高めで、歩く機会を増やすことを医師から指示された人にとっては、どのような歩き方をすれば効果的に血圧が下げられるのか、運動の効果によって薬を減らせるのかが強い関心事項です。
それを多くに伝えるために、そして私たちが指導している生活習慣病の予防と改善のためのウォーキングのテキストを完成版にするために、先人がまとめた歩き方のテキストを探していたのですが、その目的を達することはできませんでした。こうなれば自分たちのテキストを、ウォーキングを実施する地域の医療専門家と一緒になって、少しでも完成版に近づけていこうと考え、その活動に取りかかっているところです。