男女の歩数の開きが大きい都道府県

平成28年国民健康・栄養調査の結果によると、歩行数の全国平均は男性が7779歩、女性が6776歩と男女の開きは1000歩ほどとなっています。女性は家事をする分だけ出歩く時間が減るので、それが歩数の差になっているというのが一般に言われていることです。
日本メディカルダイエット支援機構の理事長が、健康寿命延伸による地方創生に取り組んでいる岡山県の数字を見たところ、男性が8136歩、女性が6042歩と、その差は2094歩となっています。なぜ2倍もの開きがあるのかを探るために、都道府県の男女差のデータを調べてみました。岡山県が特別なのか、それとも他にもあるのかを知るためです。このデータが平成28年国民健康・栄養調査の結果の中で発表されていたら、楽だったのですが。
都道府県の歩数ランキングの第1位は男性が大阪府で8762歩、女性が神奈川県で7795歩です。最もランキングが低いのは男性が高知県で5647歩、女性も高知県で5840歩。その差は男性で3115歩、女性で1955歩となっています。「第47位」ではなく「ランキングが低い」と書いたのは、今回のデータには震災被害を受けた熊本県が含まれていないからです。
歩数の男女差ランキングを見ると、第1位は思ったとおり2094歩の岡山県でした。第46位は男女ともに歩数が少なかった高知県で、しかも女性のほうが歩数が多いので、一般的に歩数が多い男性を主にした計算ではマイナス193歩になりました。マイナスになったのは高知県だけで、第45位の秋田県は男性が6626歩、女性が6541歩で、その差はプラス85歩でした。
一般にはランキングのトップはよい結果が示されているものですが、このデータに限っては、むしろ悪い結果と見ることができます。岡山県のように男女差が大きく開いて全国平均の2倍にもなっているのは決してよい結果ではありません。
高齢社会を考えると、介護される側の足腰が丈夫なことは大切ですが、介護する側の子供世代の足腰が丈夫であることは、ともに大切なことです。もっと大切だと考えることもあります。というのは、今は介護をする側であっても、いつかは介護を受ける側になるのは間違いがないことなので、歩く機会を増やし、歩数を増やすことは親のためでも自分のためでも、そして子供のためでも、場合によっては孫のためでもあるからです。今の状態では、家庭の介護は女性に大きな期待と負担がかかっています。その女性が運動をする機会が少ないどころか歩く機会が少ないということは、それは将来的な体力、筋力、持久力などに影響を与え、自治体単位で考えると健康度が全体的に下がり、介護社会を支えるパワーも低下していくことになります。
話を岡山県に転じると、岡山県の高齢化率は28.66%と全国ランキングは第24位です。第1位の秋田県の33.84%と比べると、まだよいほうに見えるかもしれませんが、市町村別に見てみると高齢化率が40%を超えているところもあります。これは山間地に限った話ではなく、観光・文化・産業で優位性がある地域でも40%に迫っていて、将来的には50%にも近づいているという現状があります。これを見ると、高齢化率が高い地域で、女性の歩く機会を増やすことに、すぐにも取り組まなければと思い、準備を始めたところです。