男子の発達障害の一因は女性ホルモンのせいなのか

発達障害は脳の発達のズレ、機能のズレという認識をしていますが、その原因として発生学的なホルモン分泌の乱れを指摘する研究者もいます。発生学というのは受精卵から細胞分裂を繰り返して母胎内で全身の細胞が作られているまでの過程を研究する分野ですが、母胎内で人間の形まで成長したときには母親の女性ホルモンの影響で女性型をしています。男性の場合は自分で作り出した男性ホルモンによって身体を男性に変化させると同時に、脳も男性化させていきます。
ところが、母親の女性ホルモン分泌が多くなりすぎると、男性ホルモンの分泌の効果が抑制されて、脳が女性化したままということになります。何が女性ホルモンの分泌量を増やしているのかというと、それはストレスです。女性がストレスに強いのは女性ホルモンのおかげで、女性ホルモンは抗ストレスホルモンとなっています。妊娠中に強いストレスを受けると女性ホルモンの分泌量が増えるわけですが、昔の妊婦は家族で世話をして、周囲の協力もあって安心して出産に臨むことができました。しかし、今は夫婦2人だけの生活が多く、夫は仕事で帰りは遅い、疲れていて話にも付き合ってくれないというようなことが続けば、抗ストレスホルモンとして女性ホルモンの分泌量が多くなるのは仕方がないことです。
胎内の男の子のすべてが女性ホルモンの影響を強く受けるわけではないのですが、少なからず影響を受けているということで、このことが原因の一つだとすると発達障害は母親のせいではなく、夫や家族のせいと言われても仕方がないようです。
余計な情報かもしれませんが、成長のために肉牛に与えられるホルモンも、環境ホルモンと呼ばれる昆虫の影響を受けない農薬も女性ホルモン系です。こういったものが使われた食品の取りすぎが、体内のホルモンバランスを崩して、これが脳の発達にも影響を与えているという研究成果を発表する専門家もいて、こういった影響も排除する必要がありそうです。