痺れは良い状態で起こるものなのか

痛みや痺れは病院に行くべきか、行かずに我慢していれば改善するものか判断がつきにくい状態です。痺れについて、ドクターが並んで疑問・質問の返答するテレビ番組で、医師の一人が「痺れは改善に向かっている状態」という発言をして、こんなことを言って大丈夫かと思っているところに、私どもの健康情報メールのファンであるドクターから同じ反応の電話がありました。
「なぜ、こんな発言をするのか」ということではなくて、「なぜ、こんな発言をテレビは許しているのか」という疑問でしたが、その答えは簡単です。番組を構成するディレクターも、それをチェックするプロデューサーも、よくわかっていないからです。
よくわからせるための情報発信が私たちの役割の一つですが、すべてに行き届いているわけではありません。しっかりと行き届いているはずの番組なのに、私たちの期待を裏切ることが起こっていることもあり、スポンサーのせいなのか、見えないところからのプレッシャーなのかと悩まされることもあります。
番組の中でコメントをしていたドクターは「正座をして血流が悪いときには痛みを感じないが、足を伸ばすと血流が戻ってきて強い痺れが起こる。これは体がよくなっている証拠で、痺れはよい状態に向かっている結果」ということをコメントしていました。痺れは正座の後の血流改善だけで起こることではありません。
痺れの原因としては、脳や脊髄の病気、手足の末梢神経の病気、筋肉の障害、血管の異常などがあげられます。血管の異常としては、詰まり、破れなどが考えられます。椎間板ヘルニア、変形性腰椎症、骨粗鬆症でも痺れが起こります。一番に気をつけないといけないのは脳卒中です。他にも、痺れの原因は多数あります。
時間が経過すれば解消する正座の後の痺れと同じ、などといって楽観していられるような状況ではないのです。四十腰、五十肩でも痺れが起こります。こういった時間の経過につれて自然と軽減していく痺れとはレベルが違うのです。
痺れの専門医や関連する疾患に詳しいドクターなら発言に責任があり、間違いを言ったら大問題となります。それに対して専門外では、ドクターに質問をぶつける側も、そこまで正確な情報を求めていないということもあります。そういえば痺れはよい状態というコメントをしていたのは美容整形の専門医でした。