発達栄養学23 食事に関係する五感以外の感覚過敏

発達障害の特性として現れやすい感覚過敏は五感(味覚、触覚、視覚、聴覚、嗅覚)に関するものが多くみられますが、五感とは関係がない感覚過敏もみられます。直接的には関係がないとしても、そのきっかけには五感を強く刺激され、それが記憶に残っていて、感覚過敏として現れるということも少なくありません。
五感以外の食事に関連する感覚過敏としては、以下のことがあげられます。
・ストローを使う牛乳パックが嫌い
・牛が嫌いだから牛乳が飲めない
・友達が吐いたものは食べられない
・冷めたご飯が食べられない
・餅は喉に詰まると思って食べられない
・家で飲食しているものと銘柄が違うと食べられない
・使い慣れた食器でないと食べられない
・加工食品しか食べられない
・不衛生な台所で作ったものは食べられない
・母親が強制したことが嫌いになった食べ物がある
・苦手な食品を知らない間に入れられたから家で食べたくない
この中には、食べたり、飲んだりしてみることで、実は過敏に反応する状態でなくなったということもあります。その反面、口にすることさえ拒否する例も少なからずみられます。例としては母親をあげていますが、母親に限らず、身近な人が無理に食べさせた、見た目でわからないように料理に加えたということがあったために嫌な思いをしたことが心から消えずに、その食べ物を身体が受けつけないということがあります。その一方で、例えば母親が作ったものでなければ食べることができて、給食では問題なく食べているということもあるのです。