発達栄養学74 食べるべき食品を色で考える

食品のバランスというと栄養素別に分類して、それらが過不足ないようにすることが一般的ですが、栄養素を目で見ることはできません。目で見て、感覚的に捉える方法は覚えやすく、しかも忘れにくいので、食卓にのぼる食品を色で考えてバランスを取る方法を考えるようにします。
肉食が多い食事では茶色が多くなりがちです。これに緑色の野菜を加えて、さらに野菜も赤(ピーマン、トマト)、黄(ピーマン、とうもろこし)、紫(なす)、白(ねぎ)を加えます。同じ茶色であっても大豆や味噌、きのこを加えます。黒(海藻、ごま)も加えると、さらにバランスがよくなります。白はご飯だけというのではなく、牛乳やヨーグルトも加えることを考えます。
さらにデザートにフルーツ(果物)を加えると、より色鮮やかな食卓になります。色鮮やかな野菜は紫外線を浴びることによって抗酸化成分(ポリフェノールなど)が蓄えられていきます。フルーツの多くは赤道近くの特に紫外線が強い地域が原産であることから、抗酸化成分が豊富に含まれています。色によって抗酸化成分の種類に違いがあることから、同じ野菜、果物、魚であっても色の種類を増やすことで多くの抗酸化成分を得て、より健康になれる“彩食健美”を目指すことができるようになります。
野菜の色は品種によるので、紫外線を浴びるほど色が濃くなることは少ないものの、トマトのリコピン、にんじんやかぼちゃのβ−カロテン、大豆のイソフラボン、ごまのセサミン、なすのアントシアニンは紫外線によって濃くなっていきます。抗酸化成分の種類による違いの知識がなくても、色鮮やかなものを並べる、できるだけ多くの色の野菜を食卓に並べるということを心がけるだけでも、必要な栄養成分を取り入れることができるということです。
ただし、発達障害にみられる感覚過敏の視覚過敏では、苦手な色もあるため、これを考慮した食品選びも必要になります。