発達栄養学95 必須アミノ酸の見極め方

人間の身体を構成するアミノ酸は20種類があります。そのうち体内では合成されないために飲食で摂らなければならないものは必須アミノ酸、それ以外は非必須アミノ酸と呼ばれています。必須アミノ酸は、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、リシン、フェニルアラニン、トリプトファン、スレオニン、ヒスチジンの9種類、非必須アミノ酸はアルギニン、グリシン、アラニン、セリン、チロシン、システイン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸の11種類です。
これらの20種類がすべて、充分な量が含まれる食品は、以前は“プロテインスコア”が高い食品と呼ばれていました。しかし、非必須アミノ酸は体内で合成されることから必須アミノ酸のバランスが取れているものがピックアップされて、今では“アミノ酸スコア”が使われています。このアミノ酸スコアが100となるものが9種類のアミノ酸が充分に含まれている食品で、それに該当するのは肉、魚、牛乳、卵、大豆です。
必須アミノ酸がすべての種類、充分な量を摂取することで、健康維持を支えることを示すのに使われているのが“樽の理論”です。樽は平らな木を組み合わせて作られていますが、それぞれが充分な長さであれば、充分な量の水を入れることができます。それぞれの必須アミノ酸の必要量を100%とすると、1本や2本の長さが120%や150%であっても入れられる量は100%となります。もしも木の長さが1本だけ50%の長さだと、樽の中に入れられる水の量は50%に減ってしまいます。このように、樽の木(必須アミノ酸)の量を100%の長さにすること、つまり必須アミノ酸を充分な量にすることが健康維持の基本になるということです。
アミノ酸のサプリメントは、この100%に合うように調整されていますが、中にはバランスが取れていないものもあり、少なくとも足りないものがないようにするために、含有量を確認する必要があります。