発達栄養87 身を守るための極端な偏食

発達障害のために食べられないものがあるときに、好き嫌いの問題だと簡単に片付けるのではなくて、感覚過敏や発達障害の特性による極端な偏食が栄養しているのではないか、と踏み込んで考えることが求められます。

感覚過敏は五感の感度が非常に鋭くて、通常ならほんの少しだけ酸味や辛味を感じる程度の味であっても、レモンを丸ごと、すり潰した唐辛子を全部、口の中に突っ込まれるように感じることがあります。そんな状態なのに、美味しい味付けだからといって食べるように言われるのは、まるで拷問のように感じるかもしれません。

食べ物に対して抵抗を示すだけでなくて、料理を作る人、食べさせる人、食べないこと苦言を呈する人に対しても強い抵抗を感じると、感覚過敏の範疇を超えたことになり、普通の食事による栄養改善を求めても、これは難しいことと言えます。

花粉症は、その症状がない人にとっては何でもないものです。健康食品の中には、栄養豊富な花粉を材料としたものがあり、それが健康の維持だけでなく、ある程度の刺激があるということからアレルギーに対抗する力をつけるものとして期待もされています。

それと同じようなことを、花粉に対して過敏に反応する人が摂るようなことをすると、アレルギーの引き金にもなりかねません。感覚過敏によって少しでも拒否反応が出ている人に対しては、少しでもリスクになるものは避けるべきですが、発達障害があることを意識をするまでもなく、身体が抵抗を示して、過敏に反応する食材、料理、調理をする人を避けるようなことになります。

このことは、身を守るための不登校と同じように考えることもできます。

発達栄養を考えるときに、栄養バランスを強調するあまりに、心身ともに拒否反応を起こしているものを食べるように強要するようなことは、絶対にしてはいけないことです。