発達障害が他の障害と異なる大きな特徴

発達障害は、障害という名称がつけられていますが、他の障害とされるものと比べると、いくつかの特徴があります。これらの特徴は、それぞれの人の個性が強く現れた場合と、疾患の特徴と考えられがちですが、どちらにも該当しないと考えられています。「発達障害者支援ハンドブック2020」では、発達障害の特徴として、以下のことをあげています。
(1)数の多さ
文部科学省の調査によると,通常教育を受けている子どものうち6.5%が発達障害として配慮する必要があるとしています。これは担任教師が判断した数で、その段階で見逃されている発達障害児がいて、これ以外に特別支援学級に在籍する発達障害児を加えると10%に達するとみられています。
発達障害は生涯に渡って特性が継続すると考えられていることから、そのまま計算すると全人口の10%、約1300万人も国内に存在していることとなります。
(2)外見からのわかりにくさ
発達障害は、知的障害などの他の障害を併せ持っている場合には早く気づくことができるものの、知的障害があっても軽い場合や知的障害がない場合には本人も周囲も気づきにくいことがあります。一見すると問題がないように見えていますが、気づかない場合には怠けている、反抗的、困った態度をするといった誤解を受けやすい傾向があります。発達障害は早期に発見して、早期に支援をすれば改善を図ることも可能です。その第一段階の早期発見が遅れるために、支援が間に合わないということにもなりかねません。
発達障害は身体的な障害とは違って、ずっと同じ状態が続くわけではなくて、落ち着いている時期があり、不安定になる時期もあるという波があります。周囲の環境や状況によって落ち着くことができなくなり、発達障害の特性が強く出るということにもなります。