発達障害とは神経発達のズレなのか

発達障害の児童は、運動機能の低下がみられますが、実際に子供たちと接触していると、“障害”というよりも“神経発達のズレ”を感じます。障害というと脳などの異常とか機能障害だと思われがちですが、神経発達がズレていると感じることがあります。落ち着いて勉強をしなければならない学びの時間に教室内をうろついたり、クラスメイトの学習を邪魔するということがみられて、異常な状態を思われることもあります。しかし、普通と思われている体内の生活パターンが乱れているために、身体が活性化する時間帯に、まだ身体が目覚めていないような状況になったり、身体が休まり、睡眠に向かっていくべき時間帯に興奮をしている状態になることがあります。
こういった調整を行っているのは自律神経です。自律神経は、興奮系の交感神経と抑制系の副交感神経に大きく分けられます。朝に目覚めてから昼間の時間帯は交感神経が盛んに働いていて、夕方以降は副交感神経が働くというリズムになっています。ところが、神経発達がズレていると交感神経と副交感神経のリズムと生活パターンが一致しなくなり、これが活動をするときに気力が高まらない、安静をするべき時間帯に興奮をしているという状態になります。これを整えるのは大変なことですが、これをクリアしないことには発達障害と指摘されかけない一般には“妙な行動”を起こすことになるのです。
食事をしたときの消化も、吸収も、排泄も、睡眠も自律神経の調整が関わっています。発達障害の改善には運動指導が重要であることは承知していますが、それと同時に当たり前の消化のメカニズムへのアプローチ、吸収へのメカニズムへのアプローチ、排泄へのメカニズムへのアプローチ、そして睡眠へのアプローチも重要となります。神経発達症の改善には期間がかかったとしても、消化、吸収、排泄、睡眠へのアプローチがうまくいけば、神経発達症の状態をよくしていくこともできます。両方のアプローチが必要であることを訴えて、発達障害児の親が充分に理解をして、知識をもって生活の中での改善に取り組んでもらいたいのです。