発達障害と勘違いされるHSCは医師が判断できるのか

HSC(Highly Sensitive Child)は、生まれつき非常に敏感な感性があり、自分が受けた刺激に過敏に反応するだけでなく、他人の辛い出来事も自分のこととして受け取ってしまい、それで苦しんでいることが少なくありません。HSCは医学用語ではなく、病気でもないことから医学的には治す対象とはされていません。しかし、HSCは5人に1人もいて、この傾向は世界的に同じであるとされています。
このHSCが発達障害と勘違いされることがあるのですが、その勘違いは一般の方だけでなく、医師の中には知らない人がいるのは事実で、そのために発達障害の特性として誤って判断されることもあるのです。
HSCは4つの特徴があげられています。深く処理する、というのが第一の特徴です。これは感覚的な情報を深く受け取って、考え込んでしまうことを指しています。漫才のツッコミではないのですが、物事の本質を突くような鋭い反応をすることや、とても子どもの反応ではないと思われるような発言をすることがあります。そうかと思うと、じっくりと考えているために行動に起こすのに時間がかかって、引っ込み思案のように見えることもあります。
次の特徴は、過剰に刺激を受けやすいことで、他の人なら気にならないような刺激に敏感に反応します。その無意識な反応のために精神的にも肉体的にも負担がかかりやすく、疲れやすくなっています。これが発達障害の自閉症スペクトラム障害の特性である感覚過敏と勘違いされがちなことです。
その次の特徴も発達障害と勘違いされることがあるのですが、感情の反応が強くて、周りの状況に飲み込まれやすいことが指摘されます。感情の振り幅は誰にもあることですが、その振り幅が大きすぎて、泣いたり怖がったりして行動を抑えているのかと思うと、急に怒ったり癇癪を起こすようなこともあります。
もう一つの特徴は、変化への敏感な反応で、周りからしたら気づかないようなこと、気づいたとしても大したことではないとスルーするようなことであっても、見過ごすことができず、気になって仕方がないという些細な刺激への察知能力です。これも発達障害の感覚過敏と勘違いされがちです。