発達障害の注意欠如・多動性障害の特徴

発達障害の特徴について、「発達障害者支援ハンドブック2020」で解説とともに問題点が指摘されています。
注意欠如・多動性障害(ADHD)は、注意欠陥・多動性障害とも呼ばれています。医療や福祉の現場では後者が使われることが多いのですが、「欠陥」という言葉がふさわしくない発達障害者もいるため、あえて注意欠如という言葉を使っています。
注意欠如・多動性障害は特徴によって3種類に大きく分けられています。
1 多動性
特に目立ちやすい特徴で、幼いころから絶えず動いていて、じっとしていることがありません。学校では授業中に席に座っていることが難しく、教室をウロウロしたり、教室の外に出ていくこともあります。
2 衝動性
年齢相応に感情や欲求をコントロールできずに、守るべき社会ルールを頭では理解していても、衝動に駆られて破ってしまいます。そのことを指摘されると、カッとなって手が出てしまうという悪循環を起こしがちです。衝動をコントロールする力の発達が周囲の子どもよりも遅いという見方もあり、成長に連れて徐々に衝動性が目立たなくなるケースもみられます。
3 不注意
最も目立ちにくいのですが、注意欠如・多動性障害の中心的なものとなっています。多動性と衝動性は成長とともに改善されることが多いのに対して、不注意は成長しても残りやすく、大人になってからは不注意が中心になります。必要なことに注意を払えないことや注意が持続できないだけでなく、不必要な注意を止められないという注意力のコントロールができないこともあります。部屋が片付けられない、忘れ物やなくし物が多いということのほかに、話を最後まで聞いていられない、すぐに気が散る、ボーッとしている、周囲から怠けているとみられるということがあります。