発達障害の脳の機能は遅れているのか

発達障害は脳の発達のズレだと説明されることが多いのですが、それについては脳の機能が遅れているような印象が抱かれがちです。しかし、発達障害は知能に問題がない例が多く、脳の発達が部分的に通常よりも遅れていることがある場合もあれば、通常よりも進んでいる場合もあって、このズレがあることで脳の発達が普通とは異なることから、自閉症スペクトラム障害、注意欠如・多動性障害、学習障害といった特性が現れると考えられています。
発達速度が早い部分と遅い部分があると、脳の機能を微妙に使いながら調整していくのに手間取ることがあり、このために脳を充分に使って対処することが難しくなることがあります。普通なら右肩上がりで脳の発達が進んでいって、できることが、どんどんと増えていくということであっても、なかなか進まずに、足踏みをするようなこともよくみられます。だから、いけないということではなく、無理に頑張らせることをするのも問題があるという話をさせてもらっています。
話題はダイエットの体脂肪の減少に飛びますが、成功ダイエットでも右肩下がりで体脂肪が減っていくわけではなくて、順調に下がったあとに停滞することは普通に起こります。身体に無理をかけないように急に体脂肪を減らさないようにする仕組みで、その停滞状態を失敗ダイエットだと勘違いすることなく、続けていると、また下がり始めるようになります。下りの階段状になっていくときには、停滞期に継続することが大切だということです。
それと同じことが発達障害児の脳の発達と、できることが増えていく過程でもみられることで、体脂肪減少の下りの階段状とは逆に、上りの階段状になります。停滞期こそが体験を重ねさせてあげて、次の伸びていくときのための準備期間とすることが発達障害児には大切なことであり、それを理解して見守り、応援してあげることです。そのことを頭では理解していても、態度に出しにくいという親が多いことも承知していますが、長い期間をかけて才能を伸ばしていくためには必要な我慢の時期だということを伝えるようにしています。