発達障害児はパニック発作を起こしやすいのか

パニック障害とパニック発作は混同されやすいのですが、パニック発作はパニック障害の一つではなくて、パニック発作が起こって、この発作によって生活に支障が生じている状態になるとパニック障害と診断されます。パニック発作は何らかのきっかけがあって、突然に動悸、息苦しさ、めまいが起こってしまい、このまま死んでしまうのではないかと激しい恐怖に襲われるという特徴があります。
不安になったり恐怖を感じる出来事に直面すると、誰しもが頻脈になったり、冷や汗が出たり、息苦しくなるのはあることです。この状態が何の前触れもなく、突然に起こるのがパニック発作です。通常ではパニック発作は、10分ほどでピークに達して、その後は自然と収まってくるので、慌てて救急車を呼ぶようなものではないと理解されています。
動悸、息苦しさ、めまいという大きな特徴のほかに、心臓のドキドキ、発汗、身震い、呼吸困難、胸の痛み、不快感、吐き気、ふらつき、麻痺感、寒気もしくは火照りといった状態を訴えることもあります。
激しい不安感に襲われ、その原因に心当たりがあるときには逃げ出したくなるのですが、逃げ出すどころか動くこともできなくなり、そのことが不安感を増幅させて、さらに精神的に苦しい思いに追い込んでいきます。こんな苦しい状態のパニック発作になる確率が発達障害の子どもは2倍にも及んでいるとの研究結果があります。パニック発作は一生の間に100人に4〜5人に起こり、100人に1人はパニック障害になると言われていますが、その2倍というのは多すぎる確率です。
発達障害は脳の発達のズレによって、通常の脳の反応ではないことが生じるものと理解されているのですが、発達障害を抱えている子どもも大人も不安を感じていて、それがあるために不安が増幅されやすく、パニック発作を起こしやすく、さらに生活に支障が生じるパニック障害が常態化しやすいということです。