発達障害支援10 応用行動分析の認識

発達障害がある子どもは、いくつかの課題を抱えていて、望ましいとされる行動が取りにくいことがあります。そのような子どもに、発達障害児の改善に使われている応用行動分析が活用されることが多くなっています。

応用行動分析(Applied Behavior Analysis)はABAとも呼ばれていて、人間の行動を個人と環境の相互作用の枠組みの中で分析して、さまざまな問題の解決に応用していく理論と実践の体系を指しています。

応用行動分析は、行動分析の研究によって蓄積された知見を実社会の諸問題の解決に応用しようとする試みの中で生まれたもので、教育、医療、福祉、介護などの幅広い領域で成果を上げ、実践と研究が進められています。発達支援には1980年代から応用され、多くの実績が得られています。

発達障害児の改善の場合には、行動の前後を分析することで行動の目的を明らかにして、前後の環境を操作して問題行動を解消する分析方法のことをいいます。問題行動の前に、どのような状況(Antecedent)があり、どのような行動(Behavior)が起こり、どのような結果(Consequence)になったのかという情報を集めることが必要で、この情報収集はABCと表現されています。状況は先行刺激、結果は後続刺激と呼ばれています。

子どもの行動を客観的に捉える方法であり、子どもの行動を変える方法ともなっています。この方法によって、子どもにかける言葉を変えることで行動が大きく変わることから「魔法の言葉」と言われることもあるのです。

具体的な分析の方法については徐々に紹介していきますが、目の前の困難さや、その解決ために苦慮しているときに、立ち止まり、大きく捉えて考えてみるということも大切だとの認識で紹介していきます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕