発達障害支援3 困った子ではなくて“困っている子”

発達障害は、精神面、運動面の発達が遅れている部分があるために、対人コミュニケーション能力や気を利かせる能力、問題解決能力などの低下が認められています。日常生活に支障があり、周囲と違った行動をすることがあることから、社会適応に向けての支援が必要となります。
一般的には知的レベルには問題がないものの、発達障害児は空気を読めない存在と言われることがあり、周囲が予測しない行動をすることから「困った子」と指摘されることがあります。しかし、本人にとっては心のおもむくままに行動しているだけであって、何か思うところがあって変わった行動をしているわけではありません。それが受け入れられないことに大きな不安を感じることに「困っている子」なのです。
発達障害は、脳の発育の特性であることから生涯にわたって改善されないことも大きな特徴となっています。成長するにつれて社会性がついていくことから対応できる範囲は広がっていくとしても、成長期に発達支援をすることによって(本人からしたら発達支援を受けることによって)、さらに改善を進めていくことが可能となっています。
改善に向けた社会的な支援を進めていくためには、発達障害について正しい知識と理解をもって、それぞれの立場でできる範囲で行動することが必要となります。そのためには、まずは発達障害を理解する人を増やすことで、その方法として情報発信や直接伝える機会が重要となります。そして、理解をもって接することができる人材を育てることにも取り組むことも大切だと認識しています。
その活動に最も適しているのは、発達障害児を育てている保護者、育て上げた保護者、そして保護者とともに支援してきた支援施設などのスタッフであるはずです。しかし、支援の現場は大忙しで、発達支援は生涯にわたって必要であることから、発達障害を理解した人たちによる普及が重要となります。そのための「支援する人を支援する」活動が、困っている子、困っている保護者の負担を少しでも軽減することにつながると考えています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)