相互作用の危険性が知られていない

サプリメントと医薬品の飲み合わせ情報であるナチュラルメディシン・データベース(NMDB)が広く普及しているアメリカでは医療関係者の相互作用への理解が深い上に、相互作用に注意した対応を行っています。それに関わらず、相当数の健康被害が報告されています。それに対して日本では相互作用については医学部設置大学(82校)の病院から報告されて行政機関にも伝えられていますが、それ以外の報告はほとんどありません。
しかし、それは相互作用が起こっていないからではなくて、医師にも広く知られていないためにサプリメントと医薬品の相互作用による健康被害であることが認識されていない結果です。そのために実態がわからず、危険性を知らずに最悪、命を失っている人もいるはずです。
健康によいサプリメントと、健康によい医薬品を一緒に摂ることによって、本来ならより健康増進の結果が得られるはずです。それが組み合わせによっては重篤な相互作用が起こる結果となっているわけですが、これは日本とアメリカの医療制度の違いによるサプリメントの扱いの違いが大きく関係しています。
日本の医療制度は医薬品を使った分だけ保険点数が上がっていく“出来高払い”制度ですが、アメリカでは“定額払い”制度となっています。州によって詳細に違いはあるものの医薬品を多く使っても少なく使っても同じ結果が得られれば同じ保険点数となる制度となっています。そのために同じ疾病を治療する場合でも、できるだけ医薬品を減らそうとします。
医薬品の使用量を減らすためには食事療法や運動療法とともにサプリメントの使用もすすめられています。サプリメントを医療機関で推奨するために、サプリメントの研究も医療機関や研究機関で盛んに実施されています。その結果がNMDBに反映されているわけです。
日本では“相互作用”は医薬品でいえば副作用のような扱いですが、アメリカではサプリメントと医薬品を一緒に使うことによって医薬品の使用量を減らしても同様の結果が得られることを相互作用と認識しています。サプリメントを使用している人にとっては日本でも期待したいところですが、今の段階では日本でいう相互作用に対応するしかないのが現状です。