第三の脂肪は歩くだけで減らせるのか

第三の脂肪と呼ばれる異所性脂肪を減らすためには、有酸素運動が重要だとテレビ番組で紹介していましたが、番組では「皮下脂肪→内臓脂肪→異所性脂肪」の順で蓄積されていると伝えていました。有酸素運動で減りやすいのは内臓脂肪です。内臓脂肪が減り始めると皮下脂肪が減っていくことはダイエット指導をしている専門家なら誰でも知っていることです。いきなり皮下脂肪が増える人は少なくて、まず内臓脂肪が蓄積され、ある程度の量が蓄積されたところで皮下脂肪が増えていきます。これは普通預金と定期預金にたとえられ、普通預金(内臓脂肪)がたまったところで定期預金(皮下脂肪)がたまっていくという順番になっています。この段階で有酸素運動をすると内臓脂肪が先に減って、続いて皮下脂肪が減っていくという順番です。
異所性脂肪を減らすための運動として番組の中で紹介されたのは、階段上りと歩行による筋トレ法でした。筋肉はエネルギー代謝が高いので、筋肉を増やすと脂肪の代謝が進む、というのは正しいのですが、筋肉には無酸素運動で増える白筋と有酸素運動で増える赤筋があります。筋トレで増えるのは白筋ですが、白筋が主にエネルギー源とするのはブドウ糖です。脂肪(脂肪酸)を代謝でエネルギー化するためには赤筋を刺激する必要があります。
歩くことによって脂肪をエネルギー化して減らす筋肉を増やすためには、歩いて筋肉を増やす方法しかないということです。この場合の筋肉は赤筋のことです。番組の中では、筋トレの専門家がすすめていた歩き方は、大股にして、かかとから着地する方法ではなく、膝を上げて足を持ち上げる方法でした。私たちがすすめている脂肪のエネルギー代謝を高める歩行法は、歩幅を広げて、かかとから着地して、反対側の足を大きく蹴り出して足の裏側の筋肉を刺激する方法です。
私たちがすすめる歩き方は、筋肉を増やすことよりも筋代謝量を増やして血糖値と中性脂肪値を減らすことができる方法です。異所性脂肪を減らすのなら、私たちの歩行法の指導のほうが適しているとの考えから、今回の話をメディアに提供しています。