筋肉を増やす食事、運動、睡眠の組み合わせ

筋肉を強化するためには、たんぱく質の摂取と同時に成長ホルモンが必要です。若いときには成長ホルモンは1日を通じて多く分泌されていますが、中高年以降では運動をしたあとと睡眠中以外は、あまり分泌されなくなります。運動をしたあと、成長ホルモンの分泌が盛んになるのは30分後であるので、このタイミングで良質なたんぱく質が多く含まれている肉、魚、卵、乳製品、大豆・大豆製品を摂るようにします。高齢になると消化能力が低下するので、消化されやすいヨーグルト、豆乳などを運動後に摂り、夕食にも良質なたんぱく質を摂るようにします。
就寝時間の3時間前は食事をしないように言われますが、この時間帯に血糖値が上昇すると睡眠中に脂肪が分解されにくく、睡眠中の脂肪燃焼が低下します。それと同時に高血糖状態によって筋繊維(筋肉細胞)の修復が遅くなり、筋肉が太くなりにくくなります。筋肉を増やす成長ホルモンは、深夜の0時から2時の間に熟睡することによって多く分泌されます。胃の中に食べたものが残っていると、胃に血液が回るために寝つきが悪くなり、熟睡もしにくくなるので、夕食以降は食べないのが原則となります。
筋肉を増やす作用がある成長ホルモンは運動後と睡眠中に多く分泌されます。運動をして成長ホルモンが多く分泌されたあとに睡眠をすると、さら多くの成長ホルモンが分泌されて筋肉が増えやすくなります。就寝前に筋肉運動をすると、やはり成長ホルモンの分泌血が盛んになることから筋肉が増えやすくなります。しかし、就寝前に興奮状態になると寝つきが悪くなり、自律神経の交感神経の働きが盛んになる分だけ副交感神経の働きが低下して熟睡しにくくなります。
高齢者は交感神経に比べて副交感神経が働きにくいので、興奮を抑えにくくなります。そこで就寝前の運動はストレッチだけにします。ストレッチは運動量は少なくても、筋肉を刺激して成長ホルモンの分泌を促す作用があるため、筋肉を伸ばすストレッチを5〜10分ほどやってから就寝するようにします。