筋肉強化のメディカルダイエット

メディカルダイエットの手法は、これまで食事と運動、運動と休養、休養と食事の組み合わせによって、効果的に体脂肪を減らすことを中心に紹介し、実践をサポートしてきました。メディカルダイエットは“ダイエット”という言葉がついているので、どうしても“やせる”ということが求められがちで、生活習慣病を予防・改善するために、いかに無理なく無駄なく体脂肪の蓄積を減らすか、効果的に代謝を高めて体脂肪を減らすかについての教育と情報発信をしてきました。
しかし、高齢化が大きく進み、超高齢化社会から超高齢社会が目前という状況になった今、筋肉量の低下を抑え、筋力を維持して自由に活動できる生活状態を継続することが重視されるようになっています。地方でメディカルダイエットのセミナーをしても、体脂肪を減らすほうではなく、むしろ高齢者の体脂肪を増やす方法、筋肉を増やす方法を教えてほしいという声が増えてきて、セミナーの内容も方向転換させています。方向転換といっても、これまでと違ったことをするということではなくて、講習テキストの中には、ずっと体脂肪を増やす方法も筋肉を増やして代謝を高める方法も掲載されていて、これも教育してきました。
体脂肪を減らすほうの食事と運動に組み合わせる休養は入浴がメインです。入浴によって交感神経の働きを盛んにしてから食事とする、運動後の入浴のタイミングによって体脂肪の分解と燃焼をコントロールするという手法です。これに対して、筋肉を増やすために活用しているのは休養の中の睡眠です。睡眠の状態によって成長ホルモンの分泌を高めて筋肉を増やすことができるのですが、充分な睡眠と一緒に実践してほしいのは、筋肉のもとになる良質なたんぱく質の摂取です。
運動をしたあとに眠ると成長ホルモンの分泌量が増えるので、運動と睡眠の組み合わせも大切です。すぐに寝る必要はなくて、昼間に運動をして、夜に充分な睡眠を確保するということでも筋肉量が増えることは多くの研究によって確認されていることです。今後は、メディカルダイエット講習でも、筋肉強化の講習の割合を増やしていく予定です。