筋肉量を減らさないためのウォーキング

運動をしたら筋肉が増えるものというのが一般的な常識で、運動をするからには筋肉増強を願う人は多いはずです。しかし、筋肉は増えにくいもので、歩くだけでは筋肉量は増やせないと主張する人もいます。まったく筋肉が増えないということはなくて、歩き方によっては筋肉の負荷を大きくして、運動をしたときと同じように徐々にではあっても筋肉は増やしていけます。
しかし、若いときには歩くだけでも筋肉が増やせた人も、高齢者となると歩くだけでは筋肉がついてくれません。そこで歩くだけでなく、筋肉運動もしたいところですが、あえて言うと中高年までに適度な運動をして“筋肉貯金”、別の表現をするなら“貯筋”をしておいた人は、高齢者になったら筋肉の量を減らさないことを中心に考えることをすすめています。
筋肉は増えにくいのに、減るのは簡単です。2週間も運動をしないと筋肉量が落ちてしまいます。この落ちた筋肉を元に戻すためには3倍もの期間の運動が必要になります。2週間も身体を使わない期間があったら、6週間も運動を頑張らないといけないということです。高齢者の場合には、2週間の寝たきりのような生活を過ごしていると全身の筋肉量が4分の1も減るという研究もあります。4分の1の量というのは、あまりにも大きな代償です。
そんなことにならないようにするには、筋肉を落とさないように毎日、一定の量の運動だけはしないといけないということです。無理をして一気に運動量を増やすことはないのですが、無理がないところで毎日歩いて、筋肉を刺激し続けることです。その目標としては、中之条研究では高齢者は1日に8000歩が掲げられていて、そのうちの20分間は早歩きをすることがすすめられています。同じ歩数だけ歩くのなら、できるだけ歩幅を広げて、グイグイと勢いよく歩くことを心がければ、足にかかる負担も強まり、筋肉量を減らさないようにすることができるということです。これができるようになってから、次は少しでもよいので筋肉を増やすように、徐々に歩くスピードを速めるようにします。