糖尿病患者の血中ブドウ糖は角砂糖1個半

糖尿病にならないようにするためには、血糖値のもととなるブドウ糖の量を減らすのが一番とされています。茶碗1杯分のご飯に含まれる糖質は角砂糖14個分と書かれていたら、驚かれると思います。そもそも茶碗1杯分の糖質を砂糖と比較するのは間違いで、砂糖はブドウ糖と果糖が1分子ずつ結びついた二糖類なので、ブドウ糖の量は半分です。ということは、血糖値の話をするときには角砂糖28個分ということになるわけです。
このことを知ると、相当の量のブドウ糖が血液中に流れているように思うかもしれません。しかし、血液中のブドウ糖は正常値の場合には角砂糖1個分だけでしかありません。それだけ多くのブドウ糖が細胞の中に取り込まれてエネルギーとなっているということです。では、糖尿病になると、どれくらいのブドウ糖が血液中に流れているのか気になるところですが、その量は驚きの角砂糖1.5個分でしかありません。わずか半個の違いが正常か糖尿病かの違いとなっているのです。
ブドウ糖を多く摂ったから糖尿病になるわけではなく、ブドウ糖を細胞に取り込んでエネルギーとすることができないことが最大の原因です。運動をすれば筋肉細胞が使うブドウ糖が増えるので、それで血糖値が下がりそうな気がするものの、筋肉細胞にブドウ糖を取り込むためには膵臓から分泌されるホルモンのインスリンが必要です。日本人はインスリンが分泌されていても細胞の反応がよくないためにブドウ糖が充分に取り込めないインスリン抵抗性の人が多くなっています。
そのために血糖値が高まりやすく、すると高まりすぎた血糖値を下げるためにインスリンが多く必要になります。これが続くと膵臓に負担がかかりすぎて、インスリンの分泌が急に減るようになります。これが糖尿病の始まりです。
インスリンの分泌が少ないか、インスリンが分泌されていても細胞で充分に使われていないとなると、どうしても血糖値が高くなります。そこで活用したいのが運動です。運動をすると細胞のブドウ糖が不足することから、細胞の中にあるGLUT4というグルコース輸送体が細胞膜に近づいて、ブドウ糖を取り込むようになります。このメカニズムを知ると、運動がいかに大切かということが理解できるようになります。
細胞に取り込まれたブドウ糖が効率的に細胞内のミトコンドリアに取り込まれると、運動をするためのブドウ糖が多く必要になることからGLUT4による取り込みが盛んになります。ミトコンドリアへの取り込みを盛んにするのはα‐リポ酸の中でも天然型のR‐αリポ酸です。
α‐リポ酸については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。