糖質制限は太るのかやせるのか

糖質制限は糖質食品である米、麦、いもなどに含まれるブドウ糖が脂肪細胞に蓄積される中性脂肪を減らすことができるものです。ブドウ糖は血糖値を上昇させます。血糖というのは血液中のブドウ糖のことで、血液中のブドウ糖が多くなることで血糖値が上昇します。糖質を摂ることによって血糖値が上昇すると膵臓のランゲルハンス島のβ細胞が反応して、血糖値を降下させるホルモンのインスリンが分泌されます。インスリンには肝臓で合成される脂肪酸を増やす作用があり、合成された脂肪酸は肝臓の中で中性脂肪となり、脂肪細胞の中に蓄積されていきます。これが太る仕組みとなっています。
糖質制限によってブドウ糖の摂取量が少なくなると、膵臓から分泌されるインスリンの量が減り、肝臓で合成される脂肪酸が減って、脂肪細胞の中に蓄積される中性脂肪が減るようになります。これが糖質制限によってダイエットができる仕組みであり、このことを糖質制限の推進派の方々は主張しています。糖質制限は太るのか、それともやせるのかというと、これに従うなら、やせるということになります。
糖質制限をして全体的に摂取エネルギー量を減らすなら、糖質を制限したことではなくて、消費エネルギー量が上回ることになってやせるわけですが、糖質制限ではブドウ糖が含まれる食品を減らせば他の食品は何を食べてもよいということを言っています。糖質制限では、身体を構成するたんぱく質を減らすことがないようにということで、肉を食べることがすすめられています。これが肉好きな人には救いとなっています。
しかし、肉にはたんぱく質とともに脂質も多く含まれています。特に飽和脂肪酸が多く含まれていて、飽和脂肪酸は動脈硬化のリスクを高めるということから摂りすぎには警鐘が鳴らされています。糖質とたんぱく質は1gあたり約4kcalのエネルギー量がありますが、脂質は約9kcalと2倍以上のエネルギー量があります。糖質を減らしても、脂肪を多く摂ったら摂取エネルギー量が増えることになり、食べる量によっては太ることにもなりかねないということです。