糖質制限ダイエットが続かない3つの理由

糖質制限は糖質が含まれた食品の摂取量を減らすダイエット法で、すぐにエネルギーとなる糖質が不足するために、脂肪細胞に蓄積された中性脂肪を分解して脂肪酸として、これをエネルギー源とすることから、やせていくというメカニズムとなっています。糖質の摂りすぎは肝臓で合成される脂肪酸を増やして、脂肪細胞に蓄積される中性脂肪を増やすことになります。糖質制限は蓄積の抑制と消費の促進という二つの理由からダイエット効果があるとされています。
しかし、糖質に含まれるブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源で、ブドウ糖不足は脳の摂食中枢を刺激して食欲が高まって、食べることを我慢できなくなります。摂食中枢の働きを抑えるには、逆の働きをする満腹中枢を刺激するしかなくて、そのためにはブドウ糖が含まれた糖質を食べるしかないので、どうしても糖質を求めやすくなります。これが食べすぎて太るリバウンドを起こす原因の一つともなっています。
糖質制限をすると腸内細菌のバランスが崩れて、便通が悪くなるということが起こります。腸内細菌の善玉菌は糖質と食物繊維をエサ(栄養源)としています。糖質が減ると善玉菌はエサが減って増えにくくなります。糖質の食品には食物繊維が豊富に含まれているので、善玉菌を増やすには糖質が向いているわけです。これに対して悪玉菌は、動物性たんぱく質と脂肪をエサにしています。ということは、糖質制限をすることによって増えやすい肉食は悪玉菌を増やすので、ますます腸内環境が乱れていくようになります。
糖質制限は、普通なら太るとされている肉を多く食べても、脂肪を多く摂っても太らない、かえってやせていくということで、安心して肉食が多くなってしまいがちです。肉に多いたんぱく質の摂りすぎは腎臓に負担をかけます。糖質制限を続けたために腎機能が低下する不安もあります。年齢を重ねるほど腎機能は低下しやすくなっていくので、熟年層以降のダイエットに糖質制限がすすめにくい理由とされているのです。