肝臓の脂肪量が減ればメタボは解消できたのか

メタボリックシンドロームは内臓脂肪の蓄積が問題で、内臓脂肪が減ればメタボリックシンドロームが解消されるという単純明快な説明が多くされています。しかし、実際には内臓脂肪の量が減らなくても、ある数値が低下していれば、内臓脂肪の蓄積量を示す腹囲(ウエストサイズ)が大きくても、腹囲と連動して判定に使われる血圧、血糖値、中性脂肪値、LDLコレステロール値が高くても、これはメタボリックシンドロームではないということがNHKのバラエティー番組で紹介されていました。
ある数値というのは「ヘパトカイン」です。これは肝臓から分泌されるホルモンで、肝由来分泌タンパク質とも呼ばれます。運動効果を示す指標で、糖尿病の原因となるインスリン抵抗性を抑制することが知られています。ヘパトカインが多くなると肝臓に蓄積される脂肪が減るということで、脂肪酸を予防することができます。脂肪酸は肝臓に多く脂肪が蓄積されることで肝臓の働きが低下するために、脂肪肝のリスクが下がるということは肝機能が高まり、健康効果が高まることにつながっていきます。
この結果をもって、体重を減らすことで脂肪肝が改善されるので、体重を3%だけ減らすだけでも健康効果が高まるということが示されています。いろいろな要素によって体重が減ることは間接的に健康効果を高めることになるので、本当の理由はどうでも、健康にはよい結果となりそうです。しかし、このデータだけを示して、少しでも体重が減れば健康というのは、どうかと思います。
体重が減る要因としては体脂肪が減るだけではなくて、運動によって水分が減る場合もあります。内臓脂肪だけが減ったとは限らないので、どんな変化が起こったのかと明らかにしないと、何が本当に影響して、目の前に現れている結果につながったのかわからないということです。