背中から太ると年齢を感じさせる

テレビコマーシャルでは、顔のシワやたるみを減らせば“若みえ”になる、ということをテーマとしています。この“みえ”は見えると見栄の両方の意味で使われているようです。若くみえるということは、実は若くないということを示していて、若いように見せるためにシワを減らそう、たるみを減らそうということを主張しているわけです。
シワやたるみを減らした化粧品や美容法で、こんなに美しくなったということを示しています。シワなどが減ることで、イコール美しくなるというのは受け入れがたいことですが、シワなどが減ることによって若見えするというというのも受け入れることはできません。私たちがダイエットの専門家として注目しているのは顔の輪郭でも腹部のサイズでもありません。普通の感覚では、太ったのはウエストサイズや顔の輪郭かもしれませんが、ここについた脂肪は簡単に減らすことができます。減らすことが困難なのは、実は背中の脂肪です。
女性の場合には、若いときには、どんなに太っても、腹部や足などに脂肪がついていくだけです。ところが、年齢を重ねていくと脂肪が蓄積されるところが変わっていきます。変わっていくというよりもプラスされるという表現のほうが当たっているのですが、若いときと違ったところに蓄積されるのは背中です。特に蓄積が目立つのは背中の上側です。そこだけに部分的に増えるというよりも、背中の上側が全体的にふっくらとしてきます。
こんなことが起こるのは、妊娠のために邪魔になる過度な腹部の脂肪の蓄積を避けるためのことで、今どきの女性は妊娠可能期間が長くなったことによって、腹部の脂肪が一定以上になると、それ以上の脂肪は妊娠に関係がない背中に蓄積させるからだと説明されています。まだ、妊娠可能だと喜んでいる場合ではなくて、背中の脂肪は落ちにくく、外見的に年齢を感じさせる蓄積なので、できることなら腹部から背中に回らないように、太りすぎないようにするべきだということです。