脂肪で太る人にはL‐カルニチンとコエンザイムQ10

肥満遺伝子対応のタイプ分けでは、リンゴ型は腹部の内臓脂肪が増えることで太っていくタイプで、皮下脂肪が増えていくタイプは洋ナシ型と呼ばれています。一般には脂肪細胞の中に蓄積されていく中性脂肪は、初めに内臓脂肪のほうに蓄積されて、一定量が蓄積されると皮下脂肪に蓄積されるようになっています。ところが、洋ナシ型肥満は内臓脂肪がそれほど蓄積されていなくても皮下脂肪が多くなっていきます。女性は皮下脂肪がつきやすいのですが、一般常識の範囲を超えて皮下脂肪がつきやすいのは、洋ナシ型の遺伝子の持ち主であると推定できます。
内臓脂肪は食事量を減らすか、有酸素運動をすることによって早く減少していきます。これに対して皮下脂肪は内臓脂肪が減ってから減るという連動性があるので、減らすためには食事のアプローチでも運動のアプローチでも期間がかかります。脂肪細胞の中に蓄積されている中性脂肪は運動をするか食事を減らすとエネルギーを補うために脂肪酸に分解されて血液中に放出されます。この放出された脂肪酸が細胞に取り込まれて、細胞内のミトコンドリアに入って、エネルギー代謝が起こります。
脂肪酸がミトコンドリアの細胞膜を通過するときにはL‐カルニチンと結びつかなければなりません。通過するたびにL‐カルニチンが使われていくので、多くの脂肪酸を通過させてエネルギー代謝を起こすためには多くのL‐カルニチンが必要になってくるわけです。ミトコンドリアの中で代謝を促進するためには補酵素のコエンザイムQ10が必要になります。
洋ナシ型肥満の人が、L‐カルニチン不足になったら、ますます内臓脂肪も皮下脂肪も減りにくくなります。L‐カルニチンもコエンザイムQ10も20歳をピークに体内で合成される量が減り、年齢が進むほどに代謝が低下していきます。若いときにはL‐カルニチンもコエンザイムQ10も体内に多くあるといっても、それ以上に洋ナシ型は脂肪の蓄積が増えやすく、脂肪の消費も低くなっているので、なかなかダイエットの効果がないという人は、L‐カルニチンとコエンザイムQ10を補うことを考えたほうがよいということです。