脂肪の吸収に関わる健康食品とメディカルダイエット

中性脂肪が分解されて脂肪酸になり、これが小腸から吸収されて血液中に入ります。血液中に入った脂肪酸は肝臓に運ばれて、中性脂肪に合成されます。このあと中性脂肪は脂肪細胞の中に蓄積されるわけですが、ダイエットのためには吸収量を減らすことが大切になります。
小腸での脂肪酸の吸収を抑制する方法には2つのルートがあり、脂肪酸を吸着する作用のある素材によって脂肪酸の結合を大きなサイズにして、小腸からの吸収を抑制するのがキチン・キトサンです。中性脂肪はグリセロールと3個の脂肪酸が結びついて構成されていますが、中鎖脂肪酸は吸収される脂肪酸が少なく、早く燃焼するため、これまでと同じ量の脂肪に換えて使用した場合には吸収量が抑えられます。摂取タイミングとしては、胃から腸の中に脂肪がある食事の後に摂ります。
キチン・キトサンは、カニやエビの甲殻に含まれる動物性の水溶性食物繊維です。キチンは甲羅の多糖類で、水にも酸にも溶けないため、アルカリ溶剤に浸すことでアセチル基とアミノ基が入れ替わってキトサンに変わります。素材にはキチン質が残っていることから、キチン・キトサンと呼ばれます。粘度が強く、有害物質や脂肪、ナトリウムを吸着して体外に排出する作用があります。コレステロールから作られる胆汁酸を吸着して排出するため、血中コレステロールを減少させる作用があるほか、高血圧の予防効果なども認められています。ミネラルの一部を吸着するほか、他のサプリメントの成分、医薬品も吸着させることで吸収が抑制されるので、他の成分、医薬品とは時間をあけて摂るようにします。
中鎖脂肪酸は8~10個の炭素鎖が結びついた飽和脂肪酸で、特定保健用食品として許可されています。普通の植物油に含まれているのは長鎖脂肪酸で、脂肪酸の炭素数は通常は18個程度です。長鎖脂肪酸は体内に吸収された後、脂肪細胞、筋肉、肝臓に蓄積され、必要に応じて分解されてエネルギーとなりますが、中鎖脂肪酸は消化吸収が4倍も早く、肝臓に直接運ばれて早くエネルギーになり、内臓脂肪の蓄積を減らす作用があります。