脈拍を増やす最大の理由はストレスか肥満か

脈拍が増えるほど血管に負担がかかることとともに、アドレナリンの分泌量が増えて、血管にダメージを与えるということを紹介したところ、アドレリンを多く分泌させる原因を知りたいとの声が多く寄せられました。アドレナリンの分泌を高める原因がわかれば、それを防ぐことで血管寿命を延ばすことができるという考えのようです。
一般によく言われるのは、喫煙、飲酒、睡眠不足、疲労、そしてストレスです。ストレスの中でも精神的なストレスが最もアドレナリンを分泌させるという研究報告もあります。喫煙も飲酒も、睡眠不足も疲労も、身体に負担をかけるといっても、ずっと続くわけではありません。ストレスも肉体的なストレス(痛み、温冷差など)は、そう長く続くことではありません。それに比べると精神的なストレスは原因が解決されるまでは継続して、寝ても覚めてもストレスがかかりっぱなしということにもなります。
ストレスは解消法もあって、それによって低減させて、アドレナリンの分泌も抑えることができます。ところが、まったく抑えることができない原因があります。それは体脂肪の蓄積です。脂肪細胞の中に脂肪(中性脂肪)が多く蓄積された状態は正常ではないことから、これを分解して血液中に放出するためにアドレナリンが分泌されます。いくら分泌させても、まだ多くが蓄積されている肥満となると、ずっとアドレナリンは分泌され続けます。そのために脈拍は増えたままで、血管のダメージは進む一方になります。
内臓脂肪が多く蓄積したメタボリックシンドーム(内臓脂肪症候群)では、脂肪細胞から生理活性物質のアディポサイトカインが多く分泌されて、これによって血圧、血糖値が上昇するようになります。これが血管のダメージを高めると説明されていますが、それと同時に脂肪細胞の中の中性脂肪が増えすぎるとことでアドレナリンが大量に分泌され続けることも大きな理由としてあげることができます。