脳を休ませるためには“脳を使う”

スマホを使い続けると情報がたまりにたまって“脳のゴミ屋敷”状態になる、という話を前回紹介しましたが、これを解消するために睡眠をとっても、なかなか脳が休まないということがあります。脳を休ませるためには何もしないのがよいと言われることもあるのですが、目を閉じても、横になっても、眠っても脳の興奮が収まらないということを経験したことがある人は多いはずです。脳の興奮がピークに達すると、休ませたつもりでも興奮状態が解消されません。
では、どうすればよいのかというと、あえて脳を使うことで脳を休ませることができます。なんだか矛盾した話に聞こえるかもしれないのですが、詳しくいうと、興奮した部分の脳を休ませるためには、興奮をしていない別の脳を働かせると、興奮した部分が休むようになります。そして、次に働かせた脳の部分が興奮する前に、それを止めると完全に脳を休ませることができるということです。
スマホで文章を読みながら眠りにつくという人がいますが、スマホから情報を得るということは続いています。同じ情報を得るのでも、スマホからではなく、読書をする、ラジオを聞くということをすると別の部分が刺激されることになります。できることなら、脳の基本的な機能である記憶、思考、理解、判断、聴覚、運動など異なったところを働かせることで、より興奮状態が抑えられるようになります。
スマホから得られる情報をシャットアウトするには、ウォーキング、ランニング、サイクリングなどが有効で、これらの有酸素運動をしているときには周囲を見る、状況を判断する、状況に合わせて身体を動かすといった別の脳の部分が使われています。そこで歩くときにはスマホを持たないように、と言いたいところですが、地図、天気、時刻表といったウォーカーにとって大切な情報を即座に得られるスマホは便利です。さらに一緒に歩いている人との会話でわからないことを調べたり、情報を伝えるためにも便利な道具で、なかなか手放せないというのはわかっているのですが。