脳トレ32:食にまつわる三大◯◯2

日本酒の三大銘醸地といえば、灘・兵庫県(神戸市・西宮市)、伏見・京都府(京都市)、西条・広島県(東広島市)があげられます。灘は灘五郷と呼ばれる地域の六甲の湧き水があり、播磨の酒造用米の山田錦が基本となって、日本酒の生産量の3割ほどを占めています。西宮神社から湧き出る宮水はミネラル豊富な中硬水で、かつては宮水を汲みに酒造会社が周辺から来たとされています。伏見は京都の南の玄関口と呼ばれる3本の川に沿った地域で、伏水と呼ばれる伏流水が豊富な地域です。その伏水は中硬水で、京都産酒造好適米の祝米が特徴的な味わいを生み出しています。広島県は軟水地域ですが、西条は龍王山の伏流水である中硬水を井戸から汲み上げています。酒米は山田錦のほかに八反錦、雄町米が用いられています。
近年人気の雄町米は山田錦や五百万石の親で、岡山県東部の雄町地域(東岡山)が発祥で、現在は瀬戸町、赤磐市で栽培されています。各地で栽培されているものの、9割が岡山産です。
日本酒に限らず酒のあてとして優れた食品は珍味とも呼ばれていますが、三大珍味といえば唐墨(からすみ)・長崎、海鼠腸(このわた)・知多、海胆(うに)・越前があげられます。江戸時代から珍味として有名で、唐墨は鰡(ぼら)の卵を塩蔵して乾燥させたもので、唐の墨に似ていることが由来とされています。海鼠腸は海鼠(なまこ)の腸を塩漬けして熟成させたもので、江戸時代は能登、尾張、三河の海鼠腸が将軍への献上品となっています。今では愛知県の知多半島が最大の産地です。海胆は、一般の食材としては生うになりますが、珍味の海胆は塩を混ぜてペースト状にした塩うにのころで、越前雲丹が有名ブランドとなっています。
食べ物の味に特徴を与える一品として使われる七味唐辛子ですが、三大七味唐辛子というと、やげん堀・浅草寺門前・東京都(台東区)、七味屋・清水寺門前・京都府(京都市)、八幡屋礒五郎・善光寺門前・長野県(長野市)があげられます。