腸内毒素は免疫にも影響を与える

腸内で悪玉菌が作り出すアンモニアや硫化水素、スカトール、インドールといった有害物質は、毒素とも呼ばれています。毒素は主には大腸に棲息する悪玉菌が発生させますが、大腸は便内の水分を最終的に吸い上げる器官であり、大腸壁を毒素は通過するため、水分の吸収時に毒素も吸い上げられ、血液中に毒素が入るようになります。
血液中に入った毒素は血管に入り、門脈を通過して肝臓まで運ばれます。肝臓は有害物質を分解して無害化する解毒器官で、通常の発生量なら毒素は肝臓で充分に分解されます。しかし、毒素の発生量が増え、肝臓に送られる量が増えると肝臓では処理しきれなくなります。その処理しきれなかった毒素は、再び血管に入って全身を巡るようになります。
そして、全身の血管を巡って皮膚細胞まで送られた毒素は、皮膚の状態に影響を与え、肌荒れや吹き出物などの原因となります。便秘をして、肌荒れなどが起こっている場合には、相当に毒素の量が増えていることが考えられます。
排泄がスムーズにいかないと、便が長く大腸内に滞ることになるわけですが、腸内細菌の悪玉菌が大腸内で腐敗をさせ続け、そのために有害物質が多く作られるようになります。有害物質が多くなりすぎると、つまり排泄までに時間がかかって悪玉菌が作り出す有害物質が増えすぎると解毒が間に合わなくなり、有害物質が血液中に入って全身を回ることになります。
これが便秘をすると肌荒れなどが起こる理由でもあり、有害物質を排除するために免疫細胞が働くことで細菌やウイルスなどへの対応が間に合わなくなるということにもつながります。
悪玉菌によって発生した有害物質の多くは腐敗臭などがある毒素であって、便臭や体臭が強いのは悪玉菌が増えている証拠とされています。臭い成分は毒素とともに大腸壁から血液中に入り、全身を巡っていくため、体臭や口臭を強くする原因にもなっています。体臭と口臭の強さが、実は便秘からきているとなると、臭いのケアは皮膚や口内の衛生の前に、便通をよくすることが大事になるということです。