腹が減っては「いい○○ができぬ」

「腹が減っては」とくれば、その次には「戦ができぬ」と続くのは普通です。戦(いくさ)は戦争のことで、「戦はできぬ」という使い方がされることもあります。今回のテーマは「いい○○ができぬ」で、戦と似たような言葉をもじったシャレのような話だと気付いている人も多いかと思います。「いくさ」と「いい○○」とくれば、最初の○は“く”となりそうだということは、すぐにわかると思います。次の“さ”の代わりに何を使うかということになると、シャレが効いている人は“そ”だと言うかもしれません。
これを、そのまま文字にすると「いいくそ」となって、あまりよいイメージは抱かないかもしれません。“くそ”というのは糞という文字を思い浮かべるからです。糞という言葉は悪いイメージであっても、これは子供では“うんち”ということになり、専門用語でいうと排泄物の“便”になります。腹が減ってしまうようなことが続くと、確かに便が出にくくなります。いわゆる“便通が悪い”状態になります。便は食べたものを反映していて、便になりやすい食物繊維や発酵しやすい乳製品を摂っていると便の量が増えて、発酵した結果で便が軟らかくなって、便通がよくなります。
若い女性で便通の不調を訴える人は、そもそも便になるものを食べていないということがあげられます。ダイエット目標で食べる量が減っているのに、便通がよくないと嘆くのは、ちょっと話が違うのではないという考えがあります。便通をよくするためには、腸内細菌の善玉菌を増やす必要があって、善玉菌が好んでエサ(栄養源)とするのは糖質と食物繊維です。乳製品もエサとなるのですが、乳製品で善玉菌が好んでいるのは乳糖です。また、食物繊維は胃では分解されず、小腸では吸収されないものの大腸では善玉菌によって分解されることで吸収されています。
つまり、どちらにしても糖が重要ということで、腹が減らないようにするためには糖質が多く含まれるご飯、パン、麺類を摂るようにして、せっせと善玉菌にエサを与えるようにすることが重要ということです。