茹で野菜と生野菜のダイエット効果の違い

野菜を多く食べているという人に、実際に1日に食べている量の野菜を持ってきてもらったことがあります。持ってきてもらった野菜は生の状態で、どのような調理法をしているか聞いていますが、若い女性では全部を生で食べているということを話していることもあります。野菜といえばサラダという感覚で、本人としては多くの量を食べているつもりなのかもしれませんが、持ってきてもらった野菜を煮て茹で野菜にしてみると大きく量が減って、こんなにも変化するのかと驚かれることがあります。
もともと煮物に使われる根菜などは煮ても、それほど減ることはありません。ところが、サラダに使われる葉野菜は切って皿やボウルに入れると多いように見えます。このことを自宅で確かめるには、サラダで食べる量をボウルなどに入れて、それを鍋に入れて煮てから、もう一度、同じボウルに入れます。これをデジカメなりで撮影しておけば、いかに減ったのかがわかり、いかに少ない量しか食べていなかったのかがわかります。
1日に食べる野菜類の推奨量は350gとされています。これだけの量を生で食べるのは大変なので、茹で野菜を食べるようにすすめる専門家もいます。食物繊維に注目するなら茹で野菜はよいのですが、ビタミンを摂るなら、特に加熱によって失われやすい水溶性ビタミンの場合には茹でてしまったら、せっかくの成分が充分に摂れなくなります。
となると、茹で野菜と生野菜の、どちらを優先させて食べるべきかということを考える人が増えてくるのですが、その答えは両方をバランスよく食べることです。代謝に必要なビタミンB群は水溶性ビタミンなので、茹で野菜にしたら水溶性ビタミンのビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆は減ってしまいます。これらのビタミンB群が充分にあることで細胞のミトコンドリアの中のエネルギー代謝が高まり、一種類でも不足すると全体の代謝が低下することになります。だから、生野菜でも食べ、それだけでは摂りにくい食物繊維やミネラルなどは茹で野菜で食べるようにしたほうがよいということです。