蕎麦はダイエットによい食品なのか

蕎麦(そば)は滋養に富んだ食べ物だというのは昔から言い伝えられてきたことで、確かに代謝に必要なビタミン群のビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂のうち3種類が含まれています。ビタミンB₁₂は動物性食品に含まれるものなのでないものの、代謝を高めて効果的にダイエットするために役立ちそうな気はします。また、ダイエットには食物繊維も必要で、蕎麦には不溶性食物繊維が多く含まれています。不溶性食物繊維は水に溶けない性質の食物繊維で、腸壁を刺激して便通を促進します。腸内細菌の善玉菌は食物繊維を分解して栄養源としているので、善玉菌を増やすことで便通をさらに促進させることができます。
実際のところはどうなのかというと、蕎麦を食べて普通に満腹感を得ようとすると食べすぎることになります。日本メディカルダイエット支援機構では、食品を100kcal(キロカロリー)単位で判定して、1日に摂取すべき総エネルギー量に合わせて主食での摂取エネルギーを紹介しています。主食は摂取エネルギー量のうち半分を目安にしています。1日に2000kcalが適正な人では1000kcalが主食からとなり、100kcal単位で10単位のものが食べられることになります。
ご飯は茶碗に軽く1杯で約200kcal、パンは一斤が約1000kcalなので5枚切り1枚分が約200kcalとなります。6枚切りだと1枚プラス5分の1くらいと計算しにくい量です。麺類は1玉が約300kcalもあります。蕎麦やパスタなどで、おかずや具が少ない場合なら、そんなに食べすぎにはならないのですが、普通の量を食べて、おかずなどの量が多いと、エネルギー過多にもなります。
では、ほとんど蕎麦だけの食事にしたらどうかという考えもあるのですが、糖質は消化には2時間ほどしかかからず、たんぱく質の4時間、脂質の6時間に比べると、かなり短く、糖質ばかりの食事では2時間もすると空腹を感じて、他に何か食べることにもなります。食物繊維が多いと消化に時間がかかって血糖値が上昇しにくいとされているものの、粉ものは消化が早いので、蕎麦を多く食べても食物繊維の効果が差し引かれるようなことにもなります。