血糖値はブドウを食べると上昇するのか

ブドウ糖という名前は、果物のブドウ(葡萄)に由来しています。果物の中ではブドウに最も多く含まれているからという説明もされているようですが、ブドウから初めて発見されたからという説が有力です。調べてみると、1747年にドイツの化学者によってレーズン(干しブドウ)から初めてブドウ糖が単離されています。
ブドウ糖というのは俗称のようなもので、科学名はグルコース(glucose)です。このコーナーで何度か登場しているGLUT4は細胞にブドウ糖を取り込む輸送体で、グルコーストランスポーター4という名称となっています。
ブドウには、そんなにブドウ糖が多いのかということですが、測定したものによって差はあるものの、ブドウのブドウ糖は7.5%(100g中に8g)となっています。バナナは4%、桃は2%、みかんは1.5%なので、確かに多くなっています。果物には果糖も含まれています。果糖の甘味は砂糖よりも強くて、砂糖を1とすると果糖は1.2〜1.5となっています。それに対してブドウ糖は0.6〜0.7です。ちなみに砂糖は果糖とブドウ糖が1分子ずつつながった構造となっています。
果糖の量をみてみると、ブドウは8%、バナナは2.5%、桃は2%、みかんは1.5%です。ブドウが甘いのは果糖が多いからですが、ブドウ糖も多くて、血糖値を上昇させやすいのは当然ということがいえます。
糖尿病とブドウ糖の関係から、ブドウ糖は悪者扱いをされることもありますが、ブドウ糖は重要なエネルギー源で、しかも脳細胞はブドウ糖しか取り込むことができないので、ブドウ糖なしでは頭の働きがよくないどころの話ではなく、生きていくことができなくなります。1日に必要なブドウ糖の量は270gとされています。そのうち脳には120gが必要で、脳以外の身体には150gが必要とされています。脳は全体の重量に対して2%でしかないのに、エネルギーは20%も消費しています。そのすべてのエネルギー源はブドウ糖なので、いかに多くのブドウ糖が消費されているかがわかります。