足を組み方で骨盤の傾きがわかる

腰掛けている姿勢で片足を、もう一方の足の上に乗せて足を組む座り方があります。右を上にして組んでも、左を上にして組んでも、どちらも同じ感じだという人は少なくて、ほとんどの人は組みやすい側と組みにくい側があります。組みにくいだけでなく、組めないということもあります。どうして、そんなことになるのか、ということを聞いてきたのはテレビ局のプロデユーサーです。以前に納豆のPRを担当していたときに知り合った方で、当時はAD(アシスタント・ディレクター)だったのに今は出世したものです。画面写りしやすいことで、それを解消する方法を提供して視聴率を取りたいという意向です。
組みにくい側がある人は骨盤の左右の高さが違っています。それも大きな違いとなっています。骨盤が上がっている側は組みやすく、下がっている側は組みにくくなります。高さの違いだけでなく、骨盤は前後にもズレが起こります。ズレて前に出ている側は組みやすくなり、後ろになっている側は組みにくくなります。このことから、下がって後ろになっている側の足は上に乗せにくく、乗せてもきつくなるということです。
この方法で骨盤の状態がわかるわけですが、この他にもズレを確認する方法があります。それは直線を引いて、その前に立って、目を閉じて歩くことです。本人はまっすぐに歩いているつもりなのに、左右どちらかに曲がっていくのが普通です。曲がっていく方向の骨盤が下がっていて、逆は上がっています。前後のズレも影響していて、後ろにズレていると、その方向に曲がっていきます。曲がり方が大きいほど骨盤の傾きが大きくなっているわけです。
ズレが起こるのは、もともとの骨格のせいではなく、筋肉が強く引っ張り、それによって徐々に傾いていくのが大きな原因です。筋肉は硬直しやすく、部分的に硬く凝った状態になります。この凝りは筋肉を適度に動かしたり、マッサージやツボ刺激などによって解消することができます。この解消ができていないと、だんだんと強く引かれるようになって、ズレていくようになります。
これを解消するには、まずはよく歩くようにすることが必要です。正しい姿勢で、左右の歩幅を同じにして歩くためには骨盤の角度が正しい状態になっていることが必要です。ところが、骨盤が大きく傾いていると、歩くことで、かえって筋肉の緊張が高まって、歩くほどに筋肉が凝っていくようにもなりかねません。これでは歩くことが、よくない結果を招くことにもあります。
そこで歩く前に、凝りを解消するように、自分でできるツボ療法を指導しています。自分でできる簡単な方法ではあるのですが、もっと簡単な方法として温熱治療器を使って、凝っている部分に熱を注入して軟らかくするという方法も指導しています。温熱はツボの位置から浸透していきます。指でツボを押すことではピンポイント刺激は難しくても、温熱治療器は面で熱を伝えていくので、必ずツボにヒットして効果を上げることができるということです。