身体の若さに比例して脳の老化も進まなくなるのか

健康づくりのためのウォーキング事業で厚生労働省を訪れたときに「元気な認知症患者を増やさないでほしい」と言われたことがあります。これは身体の健康づくりも大切だけれど、歩くことは脳の機能も向上させるので、そのことも考えてウォーキングをしてほしい、という意味だと認識したのですが、それを言われた当時は介護予防マニュアルでウォーキングの効果が認知症予防に有効だということが発表されたタイミングでした。
身体が若返っているということについては、日本老年医学会の研究で確認され、これを受けて日本老年学会と日本老年医学会は「高齢者の定義を65歳以上から75歳以上とすること」を2017年に提言しています。多くの研究によって現在の高齢者は身体的・機能的に10歳は若くなっているというのが提言の理由ですが、身体と機能の若返りに対して認知機能だけは年齢の上昇とともに低下していき、認知症と軽度認知障害の発症リスクが高まります。
日本メディカルダイエット支援機構では、サプリメント教育のテキストを作成して、一般向けにサプリメント情報知識検定、業界向けにサプリメントプロ検定を実施しています。身体の若返りのためのサプリメントについての情報を提供するなら、今の時代には認知機能の改善に影響するサプリメントについても情報発信が必要だと感じています。その情報については、このサイトの「サプリメント事典」ではまだ掲載していないので「最新情報」で過去に取り上げたことがあります。随分と前のことであるために、次回に「ナラタケと認知症2」として再掲載させてもらいます。
ナラタケは食用キノコとして知られていますが、中国では漢方製剤となっていて、オニノヤガラと共生しています。お互いに栄養素をやりとりしている関係で、ナラタケそのもの(子実体)には栄養成分は期待されていません。しかし、ナラタケの菌糸体(植物の根に当たる部分)は栄養豊富で、これを利用したのがナラタケの製剤であり、これを日本ではサプリメント(健康食品)として使うことができます。