酵素ドリンクの酵素は効かないのか

テレビ番組の影響は大きくて、酵素ドリンクに酵素は含まれていない、酵素が含まれていても死んでいる、と繰り返し情報発信してきても反応しなかった人たちが、著名な番組でテーマとして取り上げた途端に、問い合わせメールが相次ぎました。サイトの一般閲覧者だけならまだしも、メディア関係者の問い合わせが多かったのには驚きました。酵素ドリンクは、酵素の発酵によって得られた発酵物を飲料にしたものです。酵素が生きたままであれば、ドリンクを飲めば酵素も一緒に摂れることになります。酵素の発酵によって作られているので、酵素も摂れそうな感じはするものの、実際は加熱によって酵素は死滅している、というのが番組の主張です。
酵素はタンパク質でできていて、酵素の働きが活発になるのは40℃ほどの温度帯です。タンパク質は60℃以上になると凝固してしまいます。タンパク質の酵素も60℃を超えたら活動が停止することになります。飲料は食品衛生法によって65℃以上で加熱することが義務づけられています。ということは、酵素ドリンクの酵素は死んでいると言われても仕方がない、当然のことというわけです。
酵素は死んでも、死ぬ前に何か有益なものを作ってくれればよいのですが、酵素の発酵によって行われるのは、材料の中に含まれている糖類が植物の細胞壁が破壊されることによって外に出ることくらいです。糖類は重要なエネルギー源であるので、それが効率的に摂れるのは栄養不足の人にとってはよいことです。栄養不足の人だけでなく、エネルギー不足の人にも、もちろんよいことです。というのは、糖類の中でもブドウ糖は、すぐに体内でエネルギーになって代謝に使われる重要なエネルギー源であるので、充分にエネルギーを作り出して活力をもって動くことができるようになります。
酵素が生きていれば、胃の中では消化のための酵素として働いて、その分だけ体内で分泌される消化酵素は少なくて済みます。その分だけ体内で合成された酵素が消化ではなく、細胞の中の代謝酵素として使われることになるので、全身の働きが細胞レベルから高まってきます。このことを考えても、生きている酵素を摂るべきだということがわかります。