間違い情報が流されないために

日本メディカルダイエット支援機構では、6年前の4月から毎週1回、関係する医師や研究者、団体役員、健康産業の方々に「健康情報メール」を発信しています。官公庁や大学、研究機関などの最新情報を毎回25〜30本ほど選択して送っていますが、そのつながりもあって、発信先の専門家から調査依頼や情報提供の要望が寄せられます。その中で、「テレビ局から解説やコメントを求められたが、最新情報を教えてほしい」、「メディアがコメントのために用意した資料は間違っていないか」という求めが増えています。
裏付けを取るのは、それほど難しくないので対応させてもらっていますが、実際に放送された番組を見ると、局側の説明が足りなかったのか、それとも番組の主張に都合のよいコメントをさせられてしまったのか、という印象を抱くことが少なくありません。
つい最近も、愛知県は糖尿病が最も少なく、その理由として地元食材を取り上げていました。糖尿病は検査を受ければ高血糖状態であることが判定できて、早く対応できるので、糖尿病になる前に解決できる、早期に治せる病気です。一番の要因は健康診断の受診率の高さですが、それは置いておくとしても、特徴的な食べ物で、すべて解決できるものではないはずです。その紹介された食べ物が、逆効果になるものであったら、それにコメントするのは、塚と思われます。しかし、コメントする専門家に全体像が示されずに、一部だけが聞かされていたら、そんな結果になってしまうのだろうと感じます。
その番組では発酵した味噌の八丁味噌がブドウ糖の分解を抑えるからよいと言って置きながら、レポーターが食べていたのは糖質の代表の煮込みうどんでした。朝食を食べると朝食抜きに比べて血糖値が安定するという情報を出した後に流れた映像は、名古屋名物とも言えるコーヒーの代金だけで食べ物が複数ついてくるモーニングでした。そこまではよいとしてもモーニングのセットが厚切りのトーストに、これも名物の甘い小倉あんを山盛りにして食べている姿でした。糖質の摂りすぎで、これを見た糖尿病の人が真似をしたら、どうしようと心配になるような中身でした。
こんなことが起こらないように、専門家の方々には情報を送り続けるとともに、質問や支援依頼には積極的に応えていきます。